没原稿の眠る海

ここは没になった原稿が安らかに眠るところです。

第一号は、「フライフィッシャー」誌に送り、釣り師の言い訳第19回となるはずだった「ターゲット」でございます。
初めは落ちにつながる伏線をもっと強調して欲しいといわれ、最終的には結末のどんでん返しを無くして欲しいと言われました。
しかしそれでは、釣り師が釣りに行くための言い訳(これこれこういう訳で、釣りに行かねばならない)にならないので、このままでどうでしょうかとお伺いをたてたら、没になったのでした。
読んでしまえばほんの数分の他愛もない短い駄文ですが、これを書くにはそれでもやはり労力と時間がかかっているので、私にとっては水子のようなものでございます。
そういうわけで、南無阿弥陀仏。

第二号は、「フライの雑誌」に投稿したものです。
斉藤令介氏が寄稿した「天国への階段」の内容があまりにも独善的かつ、ハシにもかからない愚なるものだったので、頭にきてその反論を書いたのでした。
結果は採用されませんでした。これは自分でも納得しています。ある意見に対する反論というのは、それ自身ではさほど面白いものではありません。元の意見と組みになって初めて活きてくるものです。ま、だからこれを書いたのは、感情のはけ口みたいなもので、没、オッケーです。
だから興味のある人だけ見てくれればいいです、こっちは。

没原稿第三号として眠っていた「タラタ」の原稿は、「フライフィッシャー5月号」で有り難くも使っていただけたので、没言海からは昇天いたしました。ありがたや。