PROTEST

1999年12月にタウポ郊外で行われたロデオ世界大会の模様を「カヌーライフ2000年春号」に書いた。それを読んだ、日本ホワイトウォーターカヌーロデオ協会 大澤 匡氏より抗議のメールをいただいた。
抗議の対象となったと思われるのは、以下の文章。

(カヌーライフ2000年春号より引用)
ルールで言うなら、スクォートもかなりもめた。これまでの採点方法では、最近のロデオ艇、例えばトリプルエックスなどでもスクォート的な動きができてしまう。それをどうするかについて、喧々諤々の議論メールが飛び交ったのだ。カナダのマーク・スクライバーが中心となり、たたき台としてのルール試案についての投票も行われた。
 こんな状況にもかかわらず、今大会アメリカ、カナダ、イギリスに次いで6人もの選手を送り込んだ日本チームが、投票はおろか、議論メールを受け取っているという意思表示すらしなかったのは、残念でならない。自分たちのスポーツの将来がかかっているのに、、、。
(引用終わり)

この文章に対する大澤氏からの抗議の要点は、以下の通り(本来なら正確を期するため、大澤氏からいただいたメールをそのまま載せるべきなのだろうけれど、公開の承諾を得ていないので、要約のみ)。

  • マーク・スクライバーがたたき台を作ったとあるが、その情報はどこから得たか。
  • マーク・スクライバーの議論は、本大会運営本部が認めた公式なものではない。アンディ・ウールも議論を無視しているはずだ。それ故、日本ホワイトウォーターカヌーロデオ協会としても議論を無視した。
  • このことに関して、斉藤は大澤氏に質問すらせずに記事にした。十分な取材もせず、非難めいた記事を書くのはフェアではない。

これに対して、私が大澤氏に送ったメールは下記の通り。

(ここから私のメール)
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ご無沙汰致しております。
仕事で、2週間ほど家を留守にしておりましたので、ご返事を差し上げるのが遅くなりましたことをお詫びいたします。

まずお尋ねのマーク・スクライバーによるたたき台の件ですが、これは、彼が99年9月18日付けのメールにて、各チームリーダーに発送しております。
このメールを受け取った人のリストは、下記の通りです。
(私が大澤氏に送ったメールでは、各チームリーダー並びに関係者、48名ほどのメールアドレスがこの部分に列記されている。その中には、私のアドレス、また大澤氏の二つのアドレスが入っている。プライバシーのこともあり、メールアドレスは全てここでは割拠。)

これに対してNZFKC(ニュージーランドフリースタイルカヤック協会)の書記であるアンディ・ウールは、99年10月14日に下記の通りに返答しております。

Hi Mark

I hope you don't point your finger at us by indicating a "who cares" attitude. NZL is not a great Squirt country and we really have to rely on overseas input in this discipline, we are too unexperienced.

I don't believe you can blame yourself either by not acting early enough. After all, you are not a Squirt Boater. As much as the K-1, C-1 and OC-1 paddlers gave their input to the rules of the wave competition at FJ, we all would have expected some more active input from the Squirt community to sort out their set of rules, scoring, etc. In particular since it was agreed last year after the pre-worlds that Squirt will look after themselves and will provide us with a set of rules.

It shouldn't be our job to remind people constantly about deadlines, things to do, etc. since this would turn into a full-time job looking after other people rather than putting energy into more relevant things, especially now, at this stage of event preparation.

I am sending this mail to all team captains who I have on file and maybe everyone who feels concerned could please get in touch with Mark Scriver, Eric Zitzow and Bob Cambell since those 3 people seem to have a great interest to resolve this problem. If you 3 would go through the list of suggestions which you will hopefully get and finalise a set of rules everyone can agree on BEFORE the Worlds in NZL, that would help very much. Otherwise we will have to go with Mark's suggestions (see below) which sound quite reasonable to me.

With best regards and looking forward to some fruitful discussion,

Andi Uhl
(Secretary NZFKC)

(引用終わり)
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(以下は私による日本語訳です)

やぁ マーク

僕たちを指さして「誰が気にするかよ」と言う態度を取っていると責めないでいてくれると嬉しい。ニュージーランドではスクォートは盛んではないし、規則を決定するに当たっては海外からの多くの情報に頼らざるをえない。僕たちはあまりにも経験不足というわけだ。

マーク、君自身が規則決定に関して早くから行動を起さなかった責めを負うとも、僕たちは思えない。なんと言っても、君はスクォートボーターではないのだから。K1、C1、OC1のパドラーがフルジェームスのウェーブ競技に関する規則に関してたくさんの情報を寄せてくれるように、スクォート界からも、規則、得点などに関してもっともっと多くの考えを送ってくれるはずと期待していた。特に去年のプレワールドのあと、スクォートに関してはスクォートボーター自身が面倒を見ること、規則を我々NZKFCに提供することという合意に達していたのだからね。

他の人たちに、何をいつまでにするべきか、常に注意し続けるのは我々の仕事ではない。なぜなら、そんなことになったら、他の人の面倒見ることがフルタイムの仕事になってしまって、イベントのもっと大切なこと、特にこの段階でのイベントの準備にエネルギーを注げなくなってしまうから。

このメールを、僕の手元のリストに載っている全てのチームキャプテンの送ります。それ以外にもこの問題に関わるだろうという人がいたら、マーク・スクライバー、エリック・ジトゾウ、ボブ・キャンベルに連絡を取るようにしてください。というのもこの三人がこの問題を解決するのにすごく熱心だからです。もし、この3人をとおしてマークが提案した規則のたたき台を見直し、ニュージーランド世界大会の始まる前に、皆が納得し合意した規則を作ってくれるなら、本当に助かります。 もし、それができなかった場合には、マークの提案したたき台に沿っていくものとなるかと思います。僕自身は、すごく妥当な提案だと思うし。

実りある議論が行われることを願っています。

アンディ・ウール
(NZKFC書記)

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(引用終わり)

どちらのメールも各チームリーダー宛てに送られております。そして、アンディのメールを見ても解る通り、マーク・スクライバーの提案は、このメールの段階ではもちろん公式ではありませんが、準公式の扱いを受けております。特に引用では省略いたしましたが、アンディが各チームリーダーに送ったオリジナルのメールには、マークの提案がそのまま付記されていました。

>1998年のプレ終了時、ルール改正し、以後、約2ヶ月の猶予を持った
>時点で、オーガナイザーのアンディーは、以後一切のルール変更はしない
>と、公表しました。
>ですのでマークの討論は、オフィシャルな物ではありません。
大澤様はメールでこのように抗議されましたが、以上のマーク、アンディ間のメールからすれば、誰が見てもマークの討論はオフィシャルなものではないでしょうか。アンディ・ウールがNZKFC書記の肩書きで送ったメールで、各チームリーダーにマークに連絡を取り、規則について話し合うようにと呼びかけているのですから。

以上で大澤様からの抗議には充分お答えしていると思います。

ところでこちらから逆に質問ですが、今回大澤様からお送りいただきましたメールは

日本ホワイトウォーターカヌーロデオ協会
大澤 匡

という形で頂いておりますが、これは大澤様個人ではなく、日本ホワイトウォーターロデオ協会が、協会としての公式な形での私への抗議と受け取ってよろしいのでしょうか。

ご教授いただけると助かります。

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(ここまで私のメール)

以上のメールを、2000年4月16日に大澤氏に宛てて返信した。
抗議3の大澤氏に私が質問しなかったことに関しては、あるいは多少の非はあるかもしれない。けれど、もし質問したらどうなっていたのだろう。

斉藤「どうして、マーク・スクライバーの議論に参加しなかったのですか?」
日本チーム代表「あれはオフィシャルな議論ではないから参加しなかったのです」
斉藤「でも、オーガナイザーのアンディ・ウールが各チームリーダーにオフィシャルに議論に参加するようにと呼びかけていますが」

さて、日本チーム代表は、これにどう答えたんだろう。

この件については、また何か進展があったら、続く。

追記
これまでのところ、日本ホワイトウォーターカヌーロデオ協会からも、大澤 匡氏からもなんの連絡もない。抗議撤回、それに関する謝罪、あるいは私の送ったメールへの反論など、何かあってもいいと思うのだけれど。

この件について私に何か言いたい人(賛成意見でも反対意見でも激励でも叱咤でも)、下記アドレスにメールをお送りください。
info@troutbum.co.nz