トラウトバム日本語版        

DIARY

3月3日

オーストラリアから来た友達と土曜日はタウポ湖にボートを出し、あちこち釣るが、私1尾、彼1尾のお粗末。なんともしょぼい結果。デルタもホールもやったのに、スメルトの姿があまりなく、ボイルもライズもない。流れ込みの駆け上がりの際に張り付いていた鱒を、スメルトのデッドドリフトでどうにか釣る。

日曜日は、タウランガタウポ川、ワイマリノ川の河口に様子を見に行く。タウランガタウポは向かい風が強く、釣りどころではなかった。ワイマリノ川では、流れ込みの脇の浅場でふらふらしている鱒を見つけ、スメルトを投げたらあっさり釣れたけれど、後が続かず。よく見たら、他にも2尾浅場に入っていたのだが、こっちが気づく前に気づかれて逃げられてしまう。

酒を飲みながら話していて、スメルトのフライには、死んで横たわった姿を模したデッドスメルト、それからまだ生きていて泳いでいるスメルトを模したライブスメルトの2種があるということになった。シリコンスメルト、ドールフライなどは、デッドスメルト系なのに対し、マラブーを使ったものはライブスメルト系である。デッドスメルトは大きさ、色、形が、ライブスメルトは柔らかさ、透明感などが肝となる。これで決まりというようなライブ系をなんとか作りたいものだ。

3月8日

日本からカヌー雑誌が2冊届き、それをぱらぱらと見ているうちに、無性に新しいカヤックが欲しくなった。しばらく以前から買い替えようかと考えていたので、よしこの機会にと、昨日ロトルアまで出かけ、一息に買ってしまった。それで、今日は早速湖の上で初乗り。予想していたよりもボリュームがあり、バウを沈めるのに苦労してしまう。以前、友達の船に乗せてもらったときには、驚くほど簡単にバウが入り、それと同じ感触を期待していたので、ちょっとがっかり。まぁ、これはそのうちバウをまた潰せばいいだろうということでとりあえず納得することにした。しかし、驚いたのはロールの上がりやすさ。一度などは勢いがよすぎて、起き上がっただけでなくそのまま反対側にひっくり返りそうになった。この間まで乗っていたカヤックでは、絶対になかったことなので、いかにこれまでのカヤックがロールのしづらい船だったのか、改めて気づかされた。これだけでも充分に買い替えた価値はある。
新しいおもちゃが手に入り、しばらくは、これで遊べそうだ。

釣りに行きたいなと思うのだが、車を今一つ信用できないので、なかなか行けずにいる。普通に走っていてもバフバフとノッキングを起こし、止まりそうな気配を見せるのだ。どうやら2700回転あたりが鬼門らしいと言うことが分かってきたものの、だからといって対応策としては、そのあたりでエンジンを回さないようにギアを選ぶだけという、消極的なものしかない。そんなわけで、これも買い替えることにした。次の車も釣りやカヤックのことを考えると使い勝手のよいステーションワゴンになるだろう。で、どれにしようかあれこれ候補を思い浮かべてみると、BMWはどこかちゃらちゃらしているような気がするし、ベンツはちょっとおじさん臭い。だからといってボルボはスマートさに欠けるし。なかなか難しいものだ。
、、、、とか、なんとか、、、、言うだけ言ってみる。

3月10日

昨日、夕飯を作ろうと思い冷蔵庫を開けたら、ブタのひき肉が目に留まった。そしてその隣にはキャベツがある。この二つを見比べていたら、どうしようもなくギョウザが食べたくなったのだが、時間的にどう考えても無理なので泣く泣く諦めた。駄目だとなると余計に食べたくなる。柔らかく、それでいてぱりっとした熱々のギョウザが、頭の中に広がっていく。それで、今日は仕事を早めに切り上げ、いそいそとギョウザ作りにいそしんだ。ブタヒキとキャベツ、ニラにニンニク、それに椎茸とショウガでネタを作ってから、いよいよ皮に取りかかる。小麦粉を練り、小さくちぎっては、平たく伸ばしていく。始めのうちはいびつだったのが、最後の方には結構丸くできるようになった。なんでも練習と修業だ。できた皮に、ネタをくるんで皿に並べてゆく。白いモニョモニョがずらりと並んでいる様子を、たしか、伊丹十三はハツカネズミの行列とか整列とか言ったんじゃなかったっけか、などと思いながら作っていくと大皿に二つ、全部で48個できあがった。これを(女房は仕事で外出中なので)一人で方端から焼いては食べ、焼いては食べ、ビールを飲んでゲップして、さらに焼いては食べていく。さすがに全部を平らげることはできず、8個残してしまった。でも久しぶりに腹いっぱいギョウザを食べたので、とても幸せである。

ビールテイスティングのために、少しずつビールを集めている。といっても、条件はニュージーランド産で、かつスーパーなどで簡単に手に入るもの、で黒ビールは除く、と限っているのでたかが知れているのだが。現在手許にあるビールは;
Waikato Draught DB Draught
Lion Red Tui
Rheineck Lager Steinlager
Ice Larger Speights Gold Medal Ale
DB Export Gold DB Expoet Dry
Monteith's Original Ale Monteith's Summer ALe
スーパーを見たかぎりでは、もうあと2、3種は売っていたのだが、12本入りだったので、ちょっとしり込みしてしまった。ちなみに上記のビールは全て6本入り(ということはうちには今何ダースのビールがあるのだ?)

3月21日

先週、オークランドに行き、車を購入。ディーラーを6箇所ほど回って見つけたのが、99年製の走行距離が9万キロのステーションワゴン。3000回転からの吹け上がりは、残念ながらターボがついているわけではないから、トロトロとしているが、生まれて初めて買ったエアコンつきの車なので、よしとしよう。
今日、早速牧場の川に釣りに行く。これまでよりも魚が少ない気がして、ちょっと寂しくなる。中ほどにある橋の上から、それでもいくらか魚影が濃くなり、なんとか遊んでもらう。しかし、ドライ(ビートル4尾、イマージャ1尾)で5尾、ニンフで1尾もフライに出てくれたのに、4尾は軽い手ごたえだの、ジャンプ一発だのですっぽ抜けてしまった。なぜだぁ!合わせに問題ありということだろか。
うーむ、と唸りつつ自宅に戻ると、女房が「そんなに遠くまで行く必要ないのに」と抜かす。何だぁといぶかしがりながら話を聞いてみると、4時頃駄犬の散歩でトンガリロに行ってみたら、これまで見たことがないくらいたくさんのライズが川面に広がっていたんだそうだ。もし、ロッドを持っていたら、釣りたくなったくらいだという。
うーむ。幸せの青い鳥は、やっぱり足下にいるのだろうか?
明日、行って試してみよう。

3月24日

女房が教えてくれたポイントは、トンガリロ川の国道の橋下だった。車を乗り入れると、ツランギの夏の風物詩ともいえる、地元の子供の飛び込み合戦が派手な水しぶきを上げて繰り広げられていた。わざわざ国道の橋から飛び込むので、結構落差があって面白いのだ。で、問題のライズは、なんと、その水遊びのすぐ下から始まっていた。子供たちが飛び込もうが、泳ごうが、魚達にとっては日常のことと化しているようで、あまり気にしていないみたい。
見ていると、小さなカディスがハッチしているようだったので、早速マタウラ用に巻いた16番のカディスを結ぶ。ライズの様子から、どうやら、ほとんどの魚は手のひらサイズらしい。それで簡単に釣れるだろうとなめてかかったらこれがどうしてどうして。まだガキの癖に、あれはイヤだ、これは嫌いだと選り好みだけはひねた大人みたいな事を言いやがる。それでフライをあれこれ取っ換えやっとどうにか一尾釣ることができた。それをリリースして、川面を見ていると、手のひらサイズの魚のピチャパチャライズに混ざって、まぁまぁの魚が2尾はいることに気づいた。もこりと、鼻先、背びれ、尾びれの順で水面から出して餌をとっているのだ。これを釣らいでは男がすたるとばかりに、俄然熱くなる。下流側のやつから狙って、パラシュート、イマージャ、グリーンビートル、カディスとめくるめくフライを替えつつ、やっとかけたら、元気に走るわ、飛ぶわ。おほほほほと高笑いとともに寄せてみると、予想に反してなんとブラウンだった。これに気を良くして、上流側の魚もこの調子でもらったれと狙ったものの、リーダーで頭をたたいてしまったのか、ライズをやめてしまった。ガキが飛び込んだり泳いだりするのは構わないが、細い糸が流れてくることだけは勘弁ならないということだろうか。適応能力をまざまざと見せつけられた気がする。
いずれにしても、しっかり楽しまさせてもらった午後の一時であった。