トラウトバム日本語版        

DIARY

6月4日

医学薬学翻訳のための勉強を続ける。ふと、もうずいぶんと昔、図書館で大学受験の勉強しているときに、うすら汚い中年のおっさんが数人、来る日も来る日も分厚い司法関係の本を開いて勉強していたことを思い出した。多分、司法試験浪人だったんだろう。馬鹿なことやってら、あんなふうにはなりたくないなと思っていたのに、そこからあんまり遠くないところにいる様な気がする。

いざ釣りに行こうとフライまで巻いたのに、あまりにも風が強く、おまけに小雨までぱらついているので、あっさりめげて試合放棄。まぁ、明日があるさ。

老朽化したパソコンの延命策として、USBカードを入れた。これで、新しい周辺機器にも対応できるはずだ。さっそく女房のプリンターを接続して試してみることにする。使用説明書にはウインドウだけでなく、マックでの使い方も書いてあるから、これで共用できるはずだ。CDを入れ、ドライバをインストールしようとしたのだが、マック用のドライバがどこにもない。不思議なこともあるものだと思いつつ、ネットで探す。それで分かったこと。女房のプリンタについてきた使用説明書は、その一つ上の機種と共用で、マックが使えるのはその機種の話らしい。ということで、せっかくUSBカードが入ったというのに、今のところまったく使い道がないどころか、まだ一度も使っていないので正常に機能しているのかどうかも定かでない。こうなったらスキャナでも買おうかいな。

6月6日

昼過ぎからタウランガ-タウポ川にぶらぶらと出かけた。道路の水たまりもほとんど干上がり、おかげで上の駐車場まで車で入れた。前回と同じポイントで釣り、3時間ちょっとで5尾をかけ、うち3尾をランディング。どれも婚姻色が出て、お腹、頬が真っ赤に染まったオスだった。イクラもないし、川に上がってしばらく経っているだろうから身も多分美味しくないということで、すべてリリース。ばれたうちの1尾は、目印からちょっと目を離した隙に、いきなりものすごい勢いでラインを上流に引っ張っていった元気な魚。しばらくやり取りした後にばれてしまった。
釣りに行くたびに何か新しい発見がある。今日の状況は、水も澄み、水位も低く、先に釣り人が通った後だったので、定石なら重たいニンフの下には16番くらいの小さなヘアズイアとかヘア&コッパーなどの地味なフライを結ぶのだが、ふと思いついてスメルトを付けたら、これが当たった。イクラフライをさんざん流して釣れなかったポイントで、3尾をかけることができた。
これが単なる偶然なのか、それとも効果があるのかはまだはっきりしないので、これからしばらくはこの組み合わせで釣ってみて、様子を見ることにしよう。

6月14日

何だか変に雑用ばかりごろごろと出てきて、一向に釣りにもカヤックにも行けない。カヤックは、冷たい水で沈しても頭が痛くならないように、ネオプレーン製のキャップまで買ったというのにだ。このところ、せっかく買っても日の目を見ないで眠っているものが多いような気がするなぁ(例、USBカード)。釣りも、スメルトの威力を試してみたくて、新しいスメルトフライまで巻いたというのに、川に出かけられない。これがまだ仕事でもしているなら、お金も入ってくるわけで、まぁなんとか我慢もできるのだが、お金にならないことをやっているところが、哀しくて情けない。
スメルトフライは、先日より面白さに目覚めたエポキシヘッドのサーフキャンディタイプ。巻けば巻くほど改良点が出てきて、のめり込んでしまう。
明日の午後にはちょっと釣りに出かけられそうな雰囲気。人が多くないといいのだけれど。

6月23日

午後、ちょっと時間が空いたので、トンガリロ川に出かけた。数日前の雨で濁りが入ってとてもいい感じ。ただし、日曜日なので釣り人の数も多い。
アッパーバーチに行ってみたら、対岸に4人釣り人が入っていたけれど、ラッキーなことにこちら側には誰もいない。それでさっそくフライを投げる。イクラでしつこく攻めたものの、当たりがまったくないので、前回の柳の下のドジョウ狙いで、スメルトを結ぶ。どうせもうたくさんの釣り人がフライを投げた後だろうから、もし鱒がここに入っているとしても、1.イクラで釣られてからリリースされた鱒、2.イクラにまったく興味を示さなかった鱒、のどちらかでしかないだろう。
ここで定石通りの小さいニンフではなく、スメルトにしたのには、一応、理由付けがある。まず、産卵遡上の鱒は、餌をまったく摂らなくなり、胃も小さく萎縮してしまっている。それなのにフライを口にくわえてしまう理由として、1.ゴミを取り除いて産卵床をきれいにしようとする、2.他の鱒の卵を潰して、自分の遺伝子を残そうとする、3.幼魚だったころの記憶がよみがえりニンフを口にする、などなどいろいろと憶測されている。そのうちの3に注目したのだ。ちなみに北海道でサケをフライで釣るときに良く効くと言われているフライに、クリオネがある。これは赤いストリーマーで、その名の通り、海の大型プランクトン、クリオネにどことなく似ている。そして、サケはクリオネを食べて育つのだそうだ。そこで、これをタウポ湖の鱒に置き換えてみれば、プランクトンではなく、スメルトになるのではないか。
昔のことを思い出すにしても、ニンフを食べていた遠い昔の幼魚時代より、スメルトを追いかけていた若年魚の方がはるかに時間的に近いのだから、インパクトも強いに違いない。そう思って、ひたすらスメルトを投げてみたのだ。が、前回のタウランガ・タウポとは違って、当たりもかすりもしなかった。
あるいは、タウポ湖の鱒の行動で重要なのは、若いときの思い出ではなく、もっと小さいころの記憶であり、これが潜在意識、無意識となって支配しているのかもしれない。
となると、左右に振り子のように触れるフライを作り、これで催眠術をかけ、、、。

6月27日

パソコンの延命策にUSBを入れたので、せっかくだからとCD-RWを通信販売で買った。外付けでウインドウズでも使えるタイプだから、女房のPCとも共有できて便利。さっそくドライバをインストールして試してみた。USBポートがまず無事に使えることが分かって、ひと安心。それから、CDもちゃんと焼けることが分かって、さらにひと安心。機械と一緒にCDも買ったのだけれど、650MBのCDが10枚で390円というのは、あんまりと言えばあんまりの価格。今まで使っていたZIPなんて、100MBしかないのに1枚、28ドルもするんだから、この差はいったい何なのだ?これからしばらくは、CDをやいて遊びそうだ。

日本からきた雑誌の取材のお手伝いを無償でする。釣りの案内をしてくれと頼まれたのだけれど、もうガイドはやめたからと断る。そのかわり、釣り方、釣り道具、フライなどの細かい情報を教え、ガイドの手配の手伝いなどをした。で、昨日がその釣りの当日で、うまくいったろうかと様子を見に、釣りからそろそろ帰ってくるだろうというころに宿に行ってみたら、二人の釣り人のうち、一人はもう既に上がっていた。話によれば、午前中に彼が2尾、もう一人が5尾も釣れたので、もういいやと昼で止めてしまったのだそうだ。
ううむ、羨ましいじゃないか。もちろんどこで釣ったのか、聞いてみたさ。トンガリロ川ということは分かったものの、いかんせん日本から来た釣り人だから、プールの名前など知る由もない。だから、以下の情報から、あそこだろうか、それともここだろうかと推測するよりない。

  • 車からポイントまでは、5分、いや3、4分歩いたかな。
  • 釣り場に着いたら、もう既に年寄りの釣り人が二人釣りをしていてさ。
  • ガイドに連れられて、腰まで入って川を渡ったんだ。よくあんなところ、渡るよな。
  • あとで、釣り道具屋で出会った日本人と話したのだけれど、下流はまったく釣れなかったと言っていたな。上流に行って正解だったよ。

  • さて、ここはどこでしょう?