トラウトバム日本語版

DIARY

1月1日

別になんと言うことなく、年は明けた。
昨日は、トンガリロ川に知り合いとカヤックの漕ぎ収めに行った。まだ水温は低く、途中気をつけて見ていたけれど、ハッチもライズも逃げる魚もいなかった。まだまだ夏という感じがしない。
でも、取りあえず新年の釣り始めということで、夕マズメにトンガリロに行ってみた。水温15度。ハッチなし、ライズもほとんどなし。それでもパチャパチャやっていた小鱒を釣る。
これだけライズもハッチもない日が続くといい加減うんざりする。けれど、その分、ある日ドカンと来るのではないかと、意地汚く期待し続けている。
いま過去の日記を振り返ってみたら、10月中ばに水温が13度になってから、これまでさほど上がっていない。これが夕マズメのハッチが今一つな原因だろうか。

表紙をまた変えた。今回は、ニンフの創始者とも言うべきG.E.M.スキューが作った戯れ歌。彼は、かなり論理的な人で、それがためにドライフライ狂信者との争いに巻き込まれた。揚げ句、所属していた釣り倶楽部を抜ける羽目に。おかげで50年以上も釣ってきたイッチェン川のアボット・バートン区間での釣りを諦めなければならなくなったらしい。
いつの時代にも狂信者の犠牲になる人はいるものだと改めて納得。

 

1月4日

正月はいろいろな人が遊びにきてくれて、嬉しい。随分賑やかな日々だった。ただ、残念なことに天気が今一つで、どこにも遊びにいけなかった。
夕べは、高島さん夫婦が遊びにきてくれて、再び痛飲。ゲロゲロにはならなかったものの、しつこく絡んだ様な気が、、、。ごめん。
今日は、C&Fデザインの米ノ井さん一家が寄ってくれた。皆さん、相変わらずお元気そう。フレキシの運河で夕マズメをやって、ライズはたくさんあるのに釣れないとこぼしておられた。カディスだと思うんだけど、出ないんですよとのこと。今度、行ってみよっと。
ふと、思って、ガイドを始めた頃の釣り日記をひっ繰り返してみた。12年前の記録だ。トンガリロの水温は、さほど今と変わらない。ということは、今年が特に低いわけでもない。ライズは、11月中ばから12月にかけての方が良かったみたいだ。読んでいると、なるほどこんなことをやっていたのかと、意外とためになる。でも、それって、全然進歩がないってことか。
明日は天気も良さそうなので、どこかに釣りに行こうか。
 

1月5日

溜まった洗濯物を片づけ、今更のように年賀状を書き、原稿に付けるための写真を宅急便で送り、いざ仕事をしようとパソコンに向かったけれど、あまりにも天気がいいので釣りに行くことにした。峠を越えて、オタマンガカウ湖へ。ところが峠の向こうは雨で、しかも家を出る時には快晴だったので雨具を持ってきていない。仕方なく湖をぐるりと回ったら、どうにか雨雲の端から逃げることができた。それで湖のほとりに座ってライズを待つが、何もない。
ま、大して期待はしていなかったんですけどね。
水棲昆虫をいくつか捕まえて写真を撮ろうとしたら、なんとバッテリーがない。
こんな時にはこんなものだ。
それで、虫をフィルムケースに入れて家まで持ち帰り写真を撮ることにする。
帰りがけ、釣りの言い訳第20回のネタを考えつく。
 

1月6日

午前中ぼんやりとコンピュータをいじる。いじりつつ、昨日考えついたネタでは駄目だと気づく。がっかり。
昼過ぎ、ツランギに買い物に行きがてら、ジョギングカヤックで1時間弱遊ぶ。サーフィンから180まではできる。何とか360や、カートホイールができないものか。
夕飯のあと、トンガリロへ夕マズメに行く。水温15度。8時半から9時近くまでほとんどハッチがなく、ライズもない。場所をちょっと変えて、一つ下のプールに移動。そこで、小さなライズがいくつかあり、手と顔にカディスが数匹まとわりついた。サイズは16番くらい。結んであったのが14番のカディスだったのでそのまま釣ったら、山女魚サイズを数尾、まあまあの型が一尾出た。釣りながら、手にまた止まったカディスを見ると、今度は一回り大きい種類で14番サイズだった。
上流から下流のライズをめがけて投げ、水面を走らせるとかなり良い確率で出る。釣れるのに文句を言うのもなんだけれど、この釣り方は、少し緊張感に欠ける。キャストしたあとに、フライの流れる位置を自由に調節できるからかも知れない。

追記 今は夜中の12時過ぎ。取りあえず駄目になったとはいえ、アイデアだけは書き留めておこうとパソコンに向かった。書いているうちに、ふと、昔考えた、釣りとは全く関係ない小説のアイデアを思いだした。それをちょっといじってみたらどうにかならんもんか。
やってみたら、アレ、不思議。できるじゃありませんか。というわけで、今度こそ、「釣りの言い訳」に使えそうな感じだ。良かった、良かった。

今日の夕マズメを思いだしつつ。運河は流れの緩い、しかも藻だらけのところだから、カディスといっても、ハイドロプシケじゃなくて、オリンガの方かもしれない。とすると、サイズも14番ではなく、18〜20番くらいだろう。ひょっとして米ノ井さんが苦労したのはフライのサイズが大きすぎたのではないだろうか。

 

1月10日

ちょっと、JAVAのいたずら。といっても、人のところから勝手に持ってきたものなので、例えばどうやったら文字の色を変えられるのかなど、てんで分からない。

「釣り師の言い訳第二十回」に取りかかる。
気を入れて、没にならないよう、頑張ろう。
うっしゃぁ!

 

1月11日

書いては消し、書き直しては全部消し。なかなか一向に進まない。物語の進め方が今一つ掴めていない。大まかな筋、本当に大ざっぱなところはできているのに。
神は細部に宿りたもう。
あまりに書けないものだから、ついこうしてネットに逃げたりしている。
あとで自己嫌悪に陥るのは明らかなのに。
何とか、今週中に「言い訳」が形になるようにして、来週は「カヌーライフ」の連載と、ロデオ大会の報告をやる。
そうしたら、今月末は遊べるじゃん。釣りに行きっぱなし、竿振り回したい放題できるじゃん。
そう、目の前にニンジンをぶら下げることにする。
 

1月13日

やっとどうにか、「言い訳」が三分の二ほどできた。思うのだけれど、これだけ短いと、いろいろと細部を書き込むことができず、ただ単にストーリーを進めてゆくだけになりかねない。それでは、お話として読んでいて面白くない。かといってあまりにも書き込むと分量がオーバーしてしまって、話の筋を簡略化するしかなくなってしまう。それでは、やっぱり面白くない。難しい。

兄より手紙が来る。今道友信の「自然哲学序説」について書いて送ったのだ。少なくとも僕よりこっちの方面に詳しいはずだから、この今道がどんなやつか聞いてみたのだ。
曰く
 手紙をもらって、あらためて、「ああ、この人、まだ生きていたのか」と思ったことでした。どうやら、その世界ではとうに役目を終えた人が昔日をしのんで出版したボンサイ本をつかまされたようで同情を禁じえません。

ああ、なんと、やっぱりそうか。途中で投げ出して正解なり。

このところ天気が良いので、今日あたり、久しぶりに夕マズメに行ってみようかと思う。なんと、一週間も行っていないじゃないの。
夕マズメの後、さらに「言い訳」をごじゃごじゃやって、明日の朝もがっつり頑張れば、午後には釣りに行けるかも、、。
よし、頑張ろうじゃないの。

追記 トンガリロの夕マズメは振られた。水温16度。右岸を車で行ける所まで行った。途中、道が小川となっていて、車が埋まりそうになる。釣りたい欲望でなんとか走り抜ける。釣り始めてすぐにカディスでいい型をかけるが糸切れで逃げられた。そのうちに帰りのことが心配になってきたので、明るいうちに撤退。もう少し上流に入ってみたが、ライズもハッチもなし。

 

1月16日

一昨日遅くにようやく、「言い訳」第二十回を書き終わる。書き終わって読み直し、女房に読んでもらってOKをもらってもまだ不安。前回、悪くないと思ったものをになっているからだろう。どういう路線が担当編集の人に受けるのか、全く分からない。ましてや、読者に受けているのかどうか、全く情報がない。真暗闇を手探りで進むのだけれど、どちらに進んだら出口なのか、それが分からないから、もうむちゃくちゃ勝手に歩いては壁にぶつかっている感じ。
今まで、一番受けたのは、どれだったのか、一番評判が悪かったのはどれだったのか、それくらい教えてもらうと少し助かるのだけれど。

今日は、昼過ぎにタウポ湖にカヤックをやりに女房と犬と行く。女房のカヤックの練習、犬の水遊び、それに私の静水でのカートホイールの練習。
一体どうやったら静水でカートホイールができるのか。どうやってもカヤックの先端を静めることができない。乗っているのはFJ1、そして、僕の体重は58キロ。以前、貝本さんが来たときにそのカヤックにその体重じゃ軽すぎるといわれたのだけれど、やっぱりそうなんだろうか。 これを改善するには、
1. カヤックをもっと小さなもの、例えばイナゾーンにする
2. もっとたくさんワインを飲み、チーズを食べ、ラーメンをすすり、体重を増やす
の二つの方法がある。どちらを採用すべきか、ただいま思案中なり。

 

1月17日

昼過ぎにランギタイキ川の運河に行ってきた。元オークランドの佐藤君のお気に入りの場所なり。短パン、サンダルでお気軽に釣りができるのが嬉しい。水温は16度。
いい感じに藻の上に鱒が乗って、ライズしている。横倒しスピナーで一尾出すけれど、鉤に乗らない。そして次の鱒でつまずいた。ライズしているのに、出ないのだ。大は12番のイトトンボから、小は18番のアントまでやるが、見て、食わない。結局1時間半近くもあれこれやって、とうとう沈めてしまった。っぐぐぐ、無念なり。
特にこれといったハッチもないのに、何を選んでやがんだろうと、水に入って観察。メイフライも、カディスも、ミッジも見当たらない。でも、よくよく水面を見れば、極小ビートルがいくつも浮かんでいる。岸の草むらから風で落ちたのだろう。サイズは、22か。
こんな小さいフライは持ち合わせがない。
おまけに、フレキシからの放水が止まって、水位が10センチほど下がり、藻の上にいた鱒は皆深みに退散。水温は、1度上がって17度になったのに、ライズは全く無くなった。静かな水辺で、途方に暮れる私であった。
 

1月18日

ネットワークビジネスをやりませんかと誘いを受けた。もちろん断った。いくら貧乏で、金に困っているからと、詐欺の片棒かつぎをやるつもりはない。
ネットワークビジネスなんて、カタカナで書くものだから、新しい商売のような、何か素敵なことのような錯覚を持つ人もいるだけれど、こんなものは昔からちゃんとあった。「ネズミ講」だ。
AがB,Cの2人から千円ずつ集める。B,Cは、さらに別の2人を相手に(BはDとEから、CはFとGから)、千円ずつを集める。集まったお金のうち、千円をAに払う。
これで、Aは、最初の二千円と合わせて、四千円の儲け。B,Cは、初めに払った千円を回収でき、プラマイゼロ。で、このD,E,F,Gがそれぞれ別の二人を相手に、、、と続くわけだ。続けば続くほど、先に始めた人、つまりAやBやCの儲けは天文学的になっていく。
これがネズミ講の構造だ。これに、ネットワークビジネスは「空商売の商売」を重ねる。
A「なぁ、簡単にできるいい金もうけの話があるんだけど、やらないか?」
B「いいねえ。やりたいねぇ」
A「教えてやってもいいけど、ただって訳には行かないな」
B「そんなにいい話なのかい」
A「ああ。お前になら特別で、1000円で教えてやるよ」
B「それはありがたい。ほら、お金」
A「、、、、、、、、」
B「おい、教えてくれよ、お金は払ったんだから」
A「バカだな、まだわかんねぇのか。俺がお前にやったのと全く同じことを人に持ちかければいいんだよ」
これでネットワークビジネスのできあがり。何も売らない。お金の儲け方すら売っているのではない。ただ、他人の欲望を唆し金を巻き上げるだけだ。その他人は、更なる他人の欲望を当てにする。ピラミッドを頂点から築こうとするかのように、果てしなく底辺に広がる他人を求めていく。
ところで、このネットワークビジネスに手を染める人は、二種類居るように思う。
ひとつは、ネットワークビジネスの言葉の魔力に捕えられるか、あるいは算数がよほどできないために、これがネズミ講であることを理解できない人。私のカヤックの師匠がこの部類だ。今では、ビジネスを他人に売って、それで得た金を注ぎ込んでいるらしい。いくらネズミ講だと説明しても、ガンと聞こうとしない。「いや、俺はよく分かっていないからうまく説明できないけれど、俺の上にいる#!+*なら説明できるから、一回会ってみないか」と言うばかりだ。ネットワークビジネスを他人に勧めようという点で加害者ではあるけれど、同時に無知による被害者とも言える。
もう一つは、これがネズミ講であることを重々承知の上で、やる人。だから、とにかく早いうちにやらなければ儲からないと、正確に認識している。
こっちにいたっては、ちょっとなんだかな、である。
別に法律的にいいとか、悪いとかの問題じゃない。それを言うなら、マリファナは法律的にいけないことだけれど、私はちっとも悪いことだとは思っていない。お酒となんら変わることのない薬物だ。
それよりも他人を自分の金儲けのために利用するだけというのが、どうにもやり切れないのだ。
それに比べたら他人の欲望を我が身体で引き受け、お金を稼いでいる風俗のお姉さんの方が、どれだけ真当に生きていることだろうかと思う。
 

1月19日

実に久しぶり、8カ月ぶりに、フルジェームスに行った。ロデオ世界大会があった時より、少し多い水量。なぜか日本人ばかり、5、6人も集まっている。with Natureのインストラクター2人、居候第二号の竹本君の同僚ラフター国井君、その他数名。うーん、みんな、上手いぞ。
それなら私も、どれ、と漕ぎだして、うは、うひゃあであった。
カヤックって、こんなに不安定な乗り物だったの?
ロールって、こんなに苦労するものだったの?
ちょっとやって、疲労の極地。息があがってどうにもならない。それで陸に退散して、みんなの様を眺めながら休養する。しばらくして、ここで引いたら負け続けになっちまうぞ、ともう一度漕ぎだす。どうにか波に乗るところまでは行くが、ブラントなんて夢のまた夢なり。それでも勇気を出して、フラットスピンを1回やったところで、気持ち良く退場。勝ち逃げっつうんですか、これ。

夕方、トンガリロに夕マズメに行く。水温16度。ハッチはほとんどなく、ライズもない。でも、2度ほど目の前をカディスが飛んだので、こことおぼしき所をスケータリングさせてみたら、2尾でた。どうも、今年はいまひとつだ。

 

1月20日

今日は一日肉体労働で終わった。これまで階段下のスペースに、ワインを木箱に入れて置いてあったのだが、どうせならセラーっぽくしようということで棚を作った。電動ノコ、電動ドリル、電動ヤスリと、電動器具をフルに使う。
んん、やっぱ、便利だ。
作りながら考えたこと。
例えば、僕がお金持ちなら大工に頼んで終わりかもしれない。たまたま私がなけなしの貧乏だから、自分で作ることになったのだが、この自分で作る、ということはマルクスが「労働者の労働からの阻害」を嘆く以前の、私の私による私のための労働なのではあるまいか。
と、棚ひとつ作るのに、マルクスは大袈裟だと思うが、まぁ、とにかく面白かったのだ。
でき上がった棚に、ワインを並べる。20本ほどある中に高価なワインなど1本もない。あ、ある。知り合いの黒木さんから貰ったやつ。それ以外は、みな1000円とか、高くても2000円もしないものばかりだ。
でも、値段ではない。棚にごろごろと横になったワインを見ていると、とても嬉しいのだ。
ひょっとして、これってただ、飲ンべが沢山あるアルコールににやにやしてるだけかも。

向かいの家の木が邪魔で湖が見えなかったので、おじさんに言ったら、どんどん切ってくれとのこと。それならと半分くらいに切ってしまう。おかげで、景色がまた以前のように広々と見えるようになった。隣のオヤジと喋っていたら、「そんなことなら、地面からバッサリやっちまえばよかったのに」と言われる。
いいんですかぁ、そんなことしちゃって。

アメリカで釣りをしていた時に世話になった、マークが突然現れた。友達(たしかクレイグとか言って、向こうで僕と会ったことがあるらしく、彼は僕のことを覚えているのだ)と二人で、2月4日までこっちで釣りをするらしい。
運河とフレキシの場所を教えたあげたら早速今日の午後出かけていった。ただ、着いてみたらどちらも全然水がなくて、あんまり釣れなかったとのこと。明日は、僕も一緒にお邪魔して、牧場の川にでも行こうかということになっている。前にマークが来た時より状況はよくなっていないのがちょっと残念。

 

1月21日

マーク、クレイグの二人と牧場の川で釣りをする。二人ともモンタナの釣りガイドだ。川に着いたのは、10時ちょっと過ぎ。雲があるものの、日差しが暑い。それで、ウェーダーを履かず、短パンにサンダルで釣りをする。水温16度。ハッチはなく、下流部ではイトトンボにたまにライズしている。それで、赤いロングボディのパラシュートで釣り登る。途中からは、イトトンボの量が減ったようなので、陸生昆虫のクモに換えた。
マークが23インチを頭に、20インチを越える鱒を3尾、僕は2尾、そしてクレイグは1尾だった。
しかしそれにしてもこの川は魚の数が減った。数年前、僕がガイドをしていた頃と比べたら、半分か、下手したら三分の一になっているのではないだろうかという印象を受ける。どうしてだろう。
一日中短パンで足が剥き出しだったので、牧草、ブラックベリー、アザミで傷だらけになり、日焼けで真っ赤に腫れ、そこをサンドフライに刺されてボロボロになってしまった。短パンで牧場の川を釣っているところなんて、写真にしたら格好いいかも知れないけれど、もう、二度とやらないと思う。懲りましたです、ハイ。
 

1月23日

週末は、結婚記念日と、私の誕生日祝いを兼ねて、ネイピアに遊びに行った。キャンプ場にテントを張り、のんびりとする。すぐ横を小川が流れ、とてもよい感じのキャンプ場だった。ここに来るのは、なんと14年ぶり。
ネイピアに行く最大の目的はいつものことながら、ワイナリー巡り。貧乏人の私らには、ワイナリーでの試飲は、色々なワインをただで味わえる唯一にして最大の機会だ。もちろんレゼルブ級の高いワインは試飲用に出していないところがほとんどだけれど、それ以外の物ならまずテイスティングさせてくれる。大体、そんな高いワインなんか買うこともないだろうから、普通のワインだけで充分お釣りが来る、って言うか、元々ただ飲みなわけだし。費用は、テント泊なので二人で13ドル(約700円)+ガソリン代とお手頃な遊びなり。
今回の大収穫は、Huthlee。ワインメーカーのおじさんがすごくいい人で、熱心に色々と教えてくれた。自分で作ったワインが本当に可愛いらしく、「このワイン」と言うときに、"This wine"でなく、"This fella"と人間扱いで呼ぶくらいに入れ込んでいる。特に、ソービニヨン・ブランが賞を取ったのが嬉しくて嬉しくてならないという感じで、しきりにその良さを語ってくれた。それがまた嫌みでなく、話を聞いているこちらまで、「ふん、ふん、こいつはそんなにすごいやつなのか」と迷わず買ってしまったのだ。

これから南島に行く、マークとクレイグが立ち寄った。ガイドの案内でワンガヌイ川に行き、かなりいい思いをしたらしい。4輪バイクを使って行く所で、歩きなら結構な時間をかけないと入れない場所だ。マウンテンバイクで行くとどうなるんだろうか。

 

1月25日

昨日車をガレージに入れた。前輪のショックアブソーバが駄目になったのだ。ま、35万キロちょっと走っているから仕方がないといえば仕方がない。昨日一日で直ると思ってたら、夕方になっても帰ってこない。ガレージに電話をすると、部品が来ていないので明日になるとのこと。しかも、ショクアブ、前だけでじゃなくて後ろもいっちゃってるから、全取っ換えになるらしい。そういうわけで、昨日、今日とどこに行けず、家に引き篭もり。
なんだかひどい天気で、釣りをするにもカヤックをするにも気が滅入りそうなほどだから、不幸中の幸いとは言える。

クイーンズタウンの佐藤君からメールで、釣れてるとのこと。羨ましい。2月末くらいには、なんとか行けるようにしたい。

去年ンガルロロ川で一緒に遭難し、一緒にヘリでレスキューされた久保寺君からメールが来て、なんと「フライロッダー」の編集部に就職したとのこと。早速、お仕事をいただいてしまった。ありがとうございます。
人間、どこでどう繋がるのか、分からないものだなと改めて感心。

 

1月27日

昨夜は、カヤッカーが6人家に来て、泊まってゆく。国井君、妹尾君、まりちゃん、それに with Natureの清水君、君田君とそのお客さん、チーラム(とか何とか、よく名前を覚えていない。ごめんなさい)。鍋をつつき、酒を飲む。それで、今日は一緒にフルジェームスに行った。僕はちょっと仕事をやってから家をでたので、着いたのは午後2時半。残念ながら水が減って、波ができていない。漕いで、漕いで、漕ぐのだけれど、ゆっくりと後ろに下がって、落ちてしまう。それで、ひとつ下の波で遊ぼうと思うものの、水位が低くて水中の岩がはっきりと見える。上流沈したら、頭、肩を打つのは必至。それで及び腰になってやっぱり遊べない。
何とか、どうにか、自分のロールへの信頼が戻ってきそうな気配。とにかく、揉まれて起きて、沈して起きてを繰り返さないといけないよな。
清水君に静水カートホイールのやり方、と言うか練習の仕方を教えて貰った。もちろんまだできないけれど、これまで自分で見様見真似でやろうとしていたのと違って、なるほど、これならできるかも知れないと、やはり暗闇の遠くに薄い光が、、、。上手い人、特に人に教えることを職業としている人と一緒に漕ぐと、やっぱり利得があるもんだ。そりゃそうだよな。普通なら、お金を払って教えて貰うことなんだから。
昨日のビールと鍋でちゃらにしてね、清水君。
 

1月29日

昨夜は、オークランドから黒木さんが遊びに来た。ワインを飲んで、いろいろと話し込んで気がつくと、1時半。すっかり引き止めてしまった。
何となく眠れなくて、そのままが送ってくれた「ラーメンチャンピオン」のビデオを見る。
すげぇよ、お前ら。ものごっつ、すげぇよ。どうして、スポイトに入ったたった数滴のスープを飲んだだけで、どこのラーメン屋か分かるんだよ、おい。
見ていたら無性にラーメンが食べたくなったが、でもそれを我慢してベッドに入る。午前3時。

昼過ぎ2時頃にボートで久しぶりにトンガリロの河口に釣りに行く。他にもう2艘来ていたけれど、釣れている気配もない。随分と離れたスタンプベイ側で1尾上がっただけで、当たりも何もない。それどころか根がかりがひどくて、すぐにフライを無くす。
それで、ホールに場所を移したら、第1投目で来た。55、6センチの雄。プリプリと太ってとても美味そうなので、迷わずキープ。頭を叩いたら、口からスメルトを吐き出した。その次のキャストで妻が同じサイズを掛けたけれど、ボートに寄せてからアンカーロープに絡まっておじゃん。悔しそうにしておった。風が出てきたので、4時過ぎに上がる。
高島さんの日記に、鮭の刺し身をシソで食べたら美味かったとあったのを思いだし、シソをみじんに刻んで、生姜醤油で鱒の刺し身をいただいた。うーん、旨い。
背中、横、腹の3つの部分を食べ比べてみたのだが、横(側線より下の部分)が一番美味しいように思う。

クイーンズタウンの佐藤君が、南島のスーパーハッチの写真を送ってくれた。おお、なんだこりゃ。すげぇ。なんとしても今年は行くぞ。

 

1月31日

エヘラエヘラと毎日を過ごしていたら、なんだか急に忙しくなってきた。知り合いが回してくれたテレビのコーディネータ代理補佐兼シェルパ兼ポーターの仕事のせいだ。NHKBSでやるトレッキングの番組だそうな。
ま、お金を稼げるのはいいことだし、それになにより、3月末の本番に来る女優の候補が原田美枝子だというから、これも嬉しいなり。
でも、おかげで遊びの釣りに中々いけなくなりそう。と言いつつ、久保寺君に頼まれた魚の写真も撮らなくてはいけないので、明日は釣りに行く予定。
色々ある中、今一番頭を抱えている課題は、「釣り師の言い訳」。今週中に書かないと、後の予定から行ってマズイ。でも、いまひとつアイデアが、、、。
と、こんなところで油を売っている暇があったら、原稿用紙に向かうべし、だよな、やっぱり。