トラウトバム日本語版        

DIARY

12月2日

夕まずめが始まった。あな、嬉し。三日ほど前に国道の下に行ったら、もう人がいたので、場所を変えて上の吊り橋の下に入る。右から強い風が吹いていたので、投げづらいったらありゃしないが、8時45分くらいからライズが始まった。対岸ぎりぎりでボワ、モコと数尾が何かを食べている。コロビュリスカスで二尾いただいたのだけれど、どちらもファイト中にばれてしまった。残念。その後、カディスを食べているスプラッシュライズが増えたので、フライを結び変え、プールの真ん中で一尾かける。これはランディングできてリリース。
夕べは、同じところに行こうとしたら、既に先客がいて、河原で待機状態を取っている。二人が入れるほど大きいポイントではないので、国道下に移動。たくさんの虫がハッチしているというのに、ライズはほとんどなし。足下近くでグワンとライズしたやつをスケーティングカディスで仕留める。このポイントは去年は、魚が折り重なるようにして次から次へとライズしていたのに、今年は川の流れが変わってしまったせいか、どうやらダメらしい。ちぇっ、また新しいところを探さねば。
どっちのポイントも、ウェーダーを履かずにズック靴で足を濡らすこともなく楽しめるので、気軽で気に入っている。釣りに対するこういう姿勢って、間違ってる?
さて、今日はどこに行こうかなぁ。
 

 

12月6日

水曜日、木曜日と仕事がなくポッカリ暇だったので、パパモアに遊びに行ってきた。タウランガとファカタネの間で、かなりタウランガよりの場所だ。マウントマンガヌイがかなりお洒落になってきたことで、このあたりも徐々にそんな感じの家が増えてきてはいるものの、まだまだニュージーランドの古きよき伝統、海辺の別荘(バッチ)が残っている。駄犬連れなので、犬オーケーのキャンプ場にテントを張った。
昼過ぎにちょうど満潮だったので、期待に胸をふくらませマウントマンガヌイの桟橋からアジとサヨリ狙いで竿を出す。強風の吹きすさぶ中、目の前のニンジンよろしく、美味しいお刺し身と開きを思い浮かべながら、頑張るものの雑魚が2尾釣れただけで敗退。がっくり。落胆。おまけに体は冷えきってしまって、ぶるぶると震えながらテントに戻った。
日没ちょっと前に、取りあえずここまで来たんだから、行くだけ行ってみようということで、桟橋に再度出撃する。今度はイカ狙いである。ついてみたら、干潮と重なったせいか水位はかなり低くなっていて、釣りをしている人も誰もいない。なんだかうなだれ、しおれつつ、それでもまぁ話の種にと、エギを沈めたら、いきなり根がかり。ゴミでもついているのか、ヌッタリと重い。こんなときにはこんなものだと情けなくなりながら巻き上げていると、おおおおおお、なんだ、これは。イカじゃないか!イカだ!イカだぁ!それからというもの、私も妻もほとんど1キャスト1フィッシュ状態で30分あまりの間に、7杯のイカを釣り上げることができた。狂喜乱舞、頭の周りを駆け巡るイカのげそ焼き、イカそうめん。
その夜は、キャンプ場で満点の星の下、イカの刺し身とワインですっかり楽しんだのであった。
翌日は、ちょっと足を延ばしてマケツで潮干狩りをして貝も拾っていく。
家に帰ったその日の夕飯は、なんとも贅沢な海の幸で彩られて、幸せ気分で日本酒が一本空いてしまった。ちなみに、イカの刺し身は、QTの佐藤さんが教えてくれた通り、釣ったばかりのものより1日置いたものの方が甘味が出て、非常に旨かった。
しばらくは、イカの余韻に酔いながら暮らしていけそう。
ポイントを教えてくださった、オークランドの根岸さんに感謝。
 

 

12月14日

「極楽ニュージーランドの暮らし方」の刷り上がりが届いた。こうして一冊の本としてでき上がったものを見ると、改めて嬉しくなる。赤ワインを一本空けて、まずは内祝い。

木曜日、金曜日はお休みだったので、カイマナワ山地に歩きに行く。木曜日はアーチン(いたずら小僧)と名付けられた山の頂きまで、往復3時間。ぐるっと回るコースがあり、もう随分と以前、多分13〜15年ほど前に歩いたことがあり、そのつもりで出かけたら道は1本だけになっていた。それで行きも帰りも同じ道を辿る。頂きは森林限界を超えるので、眺めが良いはずなのだが、天気が今一つだったため遠望は楽しめなかった。金曜日は、ツリートランクゴルジュと呼ばれるところまで、ほぼ平坦な道を往復4時間ほど歩く。森の中をずっと歩き続けるうえに上り下りがあまりないから、ちょっと気張った散策といった趣。ところどころでオーキッドやアイリスが咲いているのを見つけ、写真を撮る。

金曜日に家に帰ってみたら、大量の仕事が舞い込んでいた。うげげげ。

フライフィッシャー誌の文字校のゲラが届く。QTの佐藤さんが書いた原稿を読んでギャハハハと笑う。持つべきものは良い友なり。また、お酒を一緒に飲みたいもんだ。

 

 

12月20日

やっと夕まずめのいいポイントに巡り合えた。といっても、去年ほどの濃いポイントではないのだけれど、まぁまぁのサイズのニジマスがばちゃばちゃと岸近くでライズを続ける。始まるのは9時からで、フライはもうほとんど見えない。この辺に自分のフライがあるはず、でもって、そのあたりでライズをしたから合わせてみましょう、という勘に任せた釣り。例によって例のごとく、ウェーダーのいらないイージーなポイント。

DVDプレーヤでCDを聞こうと思ったら、音飛びはするわ、一曲目はなぜかすんなり聞けないわで、すごく調子が悪い。どうして?とあれこれいじっているうちに、CDもDVDもまったく再生できなくなってしまった。実はこのDVDプレーヤはついほんの数日前に修理から戻ってきたばかり。いい加減な直し方をしやがってとぶつぶつ言いながらCDの箱を見ていたら、こんなことが書いてあるではないか。「このCDは、コピーコントロールCDです。パソコンによるCDーRやMP3ファイル等へのコピーはできません。通常のCDプレーヤでの再生を意図して制作しておりますが、一部の機種では再生に不具合が生じることがあります。<略>レコーダを含む再生機器の動作異常、動作不良など如何なる損害についても補償いたしません」。なんだとぉ!そんじゃ何か、このバカCDのおかげで、わしのDVDプレーヤがぶちこわれたってぇのか!ふざけんなぁ、年増絵美!
いろいろと調べてみたら、このCD、「CD」と謳っているくせに、Compact Diskの略ではないらしい。Compact Diskにはどのプレーヤでも再生できるよう、一定の規格が決まっているのだけれどそれに従っていないのだ。では、なんの略かというと、中日ドラゴンズなのだそうだ。どうでもいいけれど、あんまりじゃねぇか。おまけに「Windowsでは専用圧縮音源の再生となります。Macintoshでは再生できません。再生を試みないでください。」だと。馬鹿にすんじゃねぇ!というわけで、マックでこのCD(中日ドラゴンス)から音楽だけを抜きだして、うちのDVDプレーヤでも普通に再生できるように、第二のオリジナルCDを作った。ついでにMP3ファイルに変更したやつも焼いておいた。

海賊版でもコピーでもなく、ちゃんとお金を払って買ったオリジナルのCDをうちのDVDプレーヤで聞きたいだけなのに、なんとまた手間のかかること。