トラウトバム日本語版        

DIARY

4月1日

今週末に予定しているビールテイスティングは、オークランド、ウェリントン、ツランギという北島三大都市ばかりか、日本からも参加してくださることになり、盛大なものとなりそうである。準備も揃いつつあり、まずはテイスティングに呈するビールを20種類ほど集めた。これを5人で飲むから、一人当たりは4本でいい計算なので、じんわりと楽しめるだろう。いつもは何も考えずにゴクゴク飲んでいるだけだから、味も何もあったもんじゃないけれど、こうして飲み比べてみればちっとは分かるかも知れない。
採点内容として、コク、キレまでは思いついたものの、それ以外に思い浮かばなかった。あとあるとしたら、のど越し?泡?色?
まぁ、とりあえずは飲んで楽しもう。

4月7日

ビールテイスティングはなんとか終った。初めての試みなので仕方ないといえば仕方がないのだけれど、主催者の不勉強と不手際、さらに読みの甘さがいろいろと出てしまい、参加いただいた方には申し訳ないことをしてしまった。
まず、夕飯を食べて、その直後から始めてしまったこと。もうちょっと時間を置いて、腹がこなれてからするべきであった。次に、飲むペースが速すぎた。酔いが回ったというより、ゲップをしたり、おしっこにして出したりする時間がなかったので、ひたすら腹が一杯になってしまい、後半はビールを口にするのがつらくなるほどだった。そして最後に、主催者の用意した評価表。評価内容が「キレ」「コク」「総合」では、何をどう評価してよいのか、そのあたりがあやふやになってしまい、評価するほうも困ってしまっていたようだ。もっと細かく項目を分けるべきであった。ちなみに、先日こっちの食い物雑誌についてきたワイン評価表では、シャルドネ、ソウビニョン・ブランクと言ったワイン種ごとに非常に細かく評価項目が示されていて、なるほどと感心した。
次回、もし機会があったら、夜ではなく、昼飯を食べ、1時間ほど時間を置いてから飲み始め、1種のビールに最低でも5分くらいは時間をかけるようにして味わい、楽しみながらやってみたい。
しかし、それはそれとして、いつも何も考えずにゴクゴク飲んでいただけなのだが、いろいろ味が違うのだと気づかされて、なかなか面白かった。

ビール20本を空けたあと、さすがに泡モノはもういらないということで、口直しに日本からのお土産としていただいた日本酒に手を出したら、これが美味しくて、あっという間に1升瓶が空になる。その勢いで5合瓶も飲み尽くしたところで、やっとお開き。
いやぁ、久しぶりにお酒を本当に楽しく飲めました。わざわざ来てくださった五井さん、根岸さん、高島さん、ありがとうございました。また、やりましょうね。

4月20日

この間から、いろいろと興味深いテレビ番組をやっているので、ついつい見てしまう。

BBCの「Holiday in the axis of evil」 「悪の枢軸国でのホリデー」 これはブッシュ政権が北朝鮮、イラク、イランを名指しで悪者呼ばわりしたのに対して、イギリス・ジャーナリズムの良識が作った素朴な疑問、かつ建設的な問い掛けともいえる番組だった。簡単にいうと、イギリスの若いジャーナリストがこれらの国(イラクの場合は、戦争開始前)を訪れ、これらの国の人たちと旅行者として触れ合い、それを見たままに伝えるというものである。もちろん、例えば北朝鮮では海外からのジャーナリストが見ることのできる、触れることのできる世界は上層部が許したもののみであり、それにより歪んだ社会像しか見えてこないという批判はある。実際、彼もそのことについて触れていた。しかし、それはあるにしても、いずれの国々でも、ごく普通の人たちがあれこれ苦労しながら暮らしているのであり、そこには生活というものが貧富の差こそあれ、流れているのだということが伝わってきた。相手の国、もしくは人たちがどのような人であるのか。それを知ることなしに、さらには知ろうともせずに、爆弾を落とすことの恐ろしさを、じわじわとではあるけれど感じさせられた。
「愛国者」とは、権力者が決めた国の方針に盲目的に従うことなのだろうか。それとも、国が間違った方向に進もうとしている場合には、それを正そうと努力するものなのだろうか。
少なくとも、このBBCの番組では、国民が自分の意志を決めるための情報を、それも権力者レベルでの力のせめぎ合いではなく、一般民衆レベルでの生活に基づいた情報を伝えようとしているように思えた。
全体的には、とても落ち着いた、明るい感じの映像なので、余計にいろいろと考えさせられてしまった。

次いで、同じくBBC。グレアム・グリーンに関するドキュメンタリ。この人の本は、「おとなしいアメリカ人」しか読んだことがなく、それで、どちらかといえば硬いイメージしかなかったので、番組を見始めて、ちょっと意外だった。基本的には、彼の小説「情事の終わり」が最近映画化され、それに関連して、この小説と彼の実生活の関係を映し出していくものであった。番組の進行役は、彼が不倫をしていた女性(夫がいる)の息子なのだが、よく理解できなかったのは、この夫が、奥さんとグレアム・グリーンの関係を認めていたこと。そして、それが12年間も続いたということ。この夫(確かハリーとかいった)は、どのような気持ちでいたのだろうか。

最後に。ある晩、そろそろ寝ようかと思いつつチャンネルを回したら、突然、竹中直人が画面一杯に広がった。なんと、英語による字幕付き日本映画「Shall we dansu?」をやっていたのだ(dansuは、間違いではなく、日本語による英語ということでこう綴ったみたい。ちなみにあの「リング」は日本語版の場合「The ringu」です)。ストーリー、せりふ回しなど、ちょっと違和感が残ったけれど、面白かったのは、英語の字幕。ほほう、そうか、こういう言いかたをするのかと勉強になった。たとえば、ダンスの若い先生が役所広司への手紙で「今でも覚えています」という下りがある。僕だったら、まっすぐ「I sitll remeber it.」とやってしまうところだけれど、英語字幕では「I'll never forget.」であった。ふうむ、なるほど。

4月22日

英語その他の外国語の歌を日本語として聞き取る、タモリの「空耳アワー」は結構笑えるけれど、それと同じことを逆に日本語に対してやっているのを発見。ちなみに、アドレスがMITになってるけど、MITちゅうたら、あのマサチューセッツ工科大学?
最近の大学は、いろんなことを教えてくれるみたいだなぁ。